2012年10月6日土曜日

チョコレートカスタマイズ11

あらすじ
子どもにうざいといわれたともだちは気絶し
夢の中でククルカンに会い、チョコレートの奥義を得るが
目が覚めればそれもわすれてしまうことにきがつく
一方家ではおくさんが部屋の掃除をしていた

*****************
ランラランラランランラン そうじは楽しいなー
そうじは楽しいなー

きょうはモップをつかってー
掃除は楽しいなー
掃除機はダイソンDC12(デーシーツエルブ)だー
掃除はたのしいなー

おとうさんの部屋はよごれてるー
掃除はなんかたのしいなー
カドも掃除してー
「おおっと、なんかすいこんじまった」

「ヤア、ママ」

「あっ、たんなるごみの山かとおもったらおとうさん、
そんなごみんなかでなにやってんの?」

「ウン、考え事してたら寝ちゃったみたい
その前に、けつにそうじきがくっちゃ
ってるから、スイッチとめてくんない」

「あ、悪い悪い。で、なにかんがえてんの?」

「ウン、スイッチ切れてないって」

それはこういうわけ
とってもかなしいわけ
チョコレートのほろにがい
歴史を二人に教えようとして
勢い勇んだものの
とりだしてみたら、右を向いても左を向いても
悲惨な話ばかり
これじゃあモテませんよ
これじゃあモテませんな

それでもふんばってしゃべりどおしたんだが
とうとう、ふたりとも話をきいてくんなくなっちゃった
いなくなっちゃってて
ハー それでいじけてるんです
よー 世をはかなんでるんです
よー 自分なんかもう居なくなっちゃえば
いいななんて思ってんです
よー こなくそー、てなもんで
ねー「ウム、なるほどなあ」
「ウン、スイッチ切れよ」

「それはお父さん、あいての心に訴えるものが
なかったんだよ」
「ハー、なるほどな、けど、僕はこうしている今だって
ギニアでカカオを栽培している人に毎日こころうたれているよ」
「いきなりそんな話してもだめだよ
今日はミサやってるからとなりの教会でも
いってくれば」
「教会ねえ」
「ウン」
「教会ねえ」
「ウン はやくいけよ」

**********

ともだちはつっかけをはいて
すぐとなりの
もみの木教会というところへいった

「ハー
こどもか
おちこんだ時は
自分のお気に入り(ユアフェイバリットシングス)
を思い出せと
ジュリーアンドリュースが20世紀フォックス配給のサウンドオブミュージックの中で
言ってたな
修道女の生活かー あー

ハリヤマの針とからしのソテー
みみきかきついた 電子的ライト
むこうがわの原住民ー
それが私のお気に入りー
かー、とくらあ
あ、ついた」

プロテスタント教会では、正確には
ミサというのはただしくない
礼拝である
ともだちは
行きつけの神父にそう聞いた
でも
神父と呼ぶのも正しくはない
といつも神父と呼ばれる牧師はともだちに言った
しかし
ともだちが事あるごとあまりに神父さん
神父さんというので
牧師本人も、「神父でも
いいか」
という気になってきたという

寛容と
いい加減は
べつのもので
ある

ともだちは、すぐとなりにあるということもあって
悩み事があったり 仕事がさしせまったりすると
礼拝に行く
礼拝に行くというのか
礼拝をやってる様子をながめる
それで、その日は誰ともくちをきかないで
すぐ家にもどることが
多い

礼拝には
出し物がつきものである

カソリックの出し物といえば、
一時期、ブームにもなった
伝統 芸能
グレゴリオ聖歌だが
プロテスタントの出し物といえば
有名なのは
ゴスペル(スピリチュアル)である


神父(牧師)は、景気良く言う
「Now People,now People.....
いいか!、ハレルヤ!
神さんは
イエスを求めておる!イエスじゃ!
ノーじゃなくて、イエス!
それだけあれば良い!
おいそこの君、光は見えるか?
光は見えるか

光は見えるのか?


God wants a yes
James Hall & Worship and Praise

God wants a yes
神はイエスをもとめる
Oh yes
オーイエス
Yes to His will
イエス 彼のむねに
Yes to His way
イエス 彼の行く先
When the cares of life weigh you down
浮き世の苦労が重くのしかかったときは
Just know that He's making you
ただ彼がお前をつくったのだと知れ
He's molding you
おまえを形作ったひとを
Come what may
なにがあろうと
It's still
まだまだ
Yes
イエス
Yes
イエス

I'll do what You say
きみの言った通りに
Go where you want me to go
きみが行ってもらいたいと望む場所へ行けよ
Not my will
自分の意志でなく
But thy will be done
汝の望まれるままを
Yes
イエース
Yes, Yes
イエス、イエス
(Chorus)

Yes, Yes
イエス、イエス
My soul says yes
わたしの 魂が 「イエス!」という
Come what may
なにがあろうと
It's still
まだまだ
Yes
イエス
Yes
イエス

I'll do what You say
きみの言った通りに
Go where you want me to go
きみが行ってもらいたいと望む場所へ行けよ
Not my will
自分の意志でなく
But thy will be done
汝の望まれるままを
Yes
イエース
Yes, Yes
イエス、イエス

「いいか!、ハレルヤ!
神さんは
イエスを求めておる!イエスじゃ!
ノーじゃなくて、イエス!
それだけあれば良い!
おいそこの君、光は見えるか?
光は見えるか

光は見えるのか?

まっくらなお前のひとみに
光はほんとうに見えるのか?

神を信じようとしない
お前に
光はくるのか

それはいつくるのか?
夜か?
朝か?
ほんとうにくるのか?

おい、
そこで座って
いねむりこいてる君
いますぐ
答えろ!」

入り口で、うとうとしながら
その光景を見ていたともだちの
足もとは
光で照らされ
やがて
かすかに
浮かび上がった
光の文字で

"Chocolate Customization
(チョコレート カスタマイズ)"


ともだちの顔はひらめき
神父へ てをふり
さけんだ
「見えましたよう!
見えましたよう!神父!見えた、見えたんだ。神父!
僕には見えました!分かった、分かったんだ
神父!」

「だから
俺は 
神父じゃない!
何度いえば
わかるんだお前は!?」

ともだちはそれを聞かず
すぐ家にもどり
冷蔵庫にとめておいた
一万円札をにぎりしめ
電車へ
とびのった

つづく

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